肺炎球菌ワクチン接種を行っています。費用は7,000円です。
接種を希望される方は予約をお願いいたします。
以下に述べる1と2の方は春日井市の補助が受けられます。
【注意】1,2に当てはまらない方は全額自己負担(7,000円)です。
ただし、生活保護受給者の方は生活保護法医療券または受給証明書が必要です。 補助を受けられる方は「補助金交付に伴う委任状」への記入が必要です。この委任状は当院に準備してあります。
そのため接種日には印鑑・本人を確認できるもの(保険証等、身体障害者手帳は満60歳以上75歳未満の場合)が必要ですのでお忘れないように注意してください。
私たちの身の周囲には、細菌やウイルスなどの目に見えない微生物が数多くいます。
肺炎球菌はその中のひとつです。
肺炎球菌は健康な人の鼻や咽喉にも存在することがありますが、症状が出ない人が多く、体力が落ちている時やご高齢になって免疫力が低下してくると肺炎・気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎敗血症などを発症します。
肺炎球菌による感染症は抗生物質などの薬の進歩と医療技術の向上により、かなり 治療ができるようになりました。しかし、1980年代から抗生物質が効きにくい耐性菌が出現し、高齢者や基礎疾患を有する方にとっては重症になりやすく、徐々にその割合が増えています。
日本の死因第4位は肺炎です。年間死亡者数は約9万5千人。その90%以上が65歳以上の高齢者です。
また、肺炎は要介護老人の直接死因の30%を占めています。
肺炎の原因はさまざまですが、最も多いのは肺炎球菌によるもので、60歳以上の肺炎疾患者の約46%を占めています。
特に心臓や呼吸器に慢性疾患がある方、腎不全、肝機能障害、脾機能不全、糖尿病のある方、ヒト免疫不全ウイルス感染者などでは肺炎などの感染症にかかり易く、症状も重くなり、治りにくくなる傾向があり、症状が進んだ場合、抗生物質などによる治療にもかかわらず致命率が高くなります。
肺炎球菌ワクチンの接種も重要ですが、肺炎に進むのは免疫力が低下した時で、風邪・インフルエンザから二次的に肺炎になるケースが多く見られます。
まずは、風邪・インフルエンザにかからない事をこころがけ、人混みはできるだけ避け、外出時はマスクをつけ、帰宅した時にはうがいをしたり、手を洗うなどが大切です。
肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされうる病気(感染症)を予防するためのワクチンです。 肺炎球菌以外の原因による病気(感染症)に対して予防効果はありません。
注射部位の腫れや痛み、軽い発熱、倦怠感、筋肉痛がみられることがありますが、日常生活に差支えるほどのものではなく、1~2日で治まります。
春日井市では平成25年4月1日から、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン及び子宮頸がんワクチンが新たに定期予防接種(無料)となりました。
種類 | 対象者 | 接種回数 | 接種券送付時期 | 接種費用 |
---|---|---|---|---|
ヒブ(Hib) |
生後2か月~5歳未満 |
接種開始年齢により |
生後1か月になる月の月末 | 無料 |
子宮頸がん |
小学校6年~高校1年に |
3回 |
中学校1年生に相当する |
無料 |
※詳しくは春日井市のHPの市民生活ガイドの健康・医療で予防接種の項目をご覧ください。>>春日井市HPへ
接種を受けるには市から送付された接種券を利用し、当院に接種の予約をおとり下さい。
初回接種時の月齢によって接種回数が異なります。
ヒブ(Hib)は細菌であるインフルエンザ菌b型(Haemophilus Influenzae typeB)の略称です。冬場に流行するインフルエンザウイルスとは違います。
ヒブは肺炎・敗血症・喉頭蓋炎などさまざまな感染症を引き起こし、なかでも重篤な感染症がヒブによる細菌性髄膜炎です。
元気な子どもでも、ふだんは鼻やのどにいる細菌が運悪く血液の中に入ることがあり、その菌が脳を包む髄膜に炎症を起こす病気です。そして最終的には脳そのものなどに病気を起こします。
日本では、年間約1,000人の乳幼児(2カ月~6歳児)が細菌性髄膜炎にかかっています。そのうち、ヒブによる髄膜炎が年間約500~600人、肺炎球菌による髄膜炎が約200人で、この2つの菌による髄膜炎で亡くなる子どもは50名近くにもなります。ヒブによる髄膜炎の約半数は生後6ヶ月から1歳までの小児で発症すると治療を受けても約5%(日本で年間約30人)の乳幼児が死亡し、約30%(日本で年間約150人)に知能障害などの発育障害や難聴などの後遺症が残ります。近年、治療に必要な抗生物質が効かない耐性菌も増加しており、発症後の治療は困難で予防が大切です。
ヒブワクチンの接種がヒブ髄膜炎などの感染による発病および重症化を予防する最良の手段です。諸外国ではこのワクチンの接種により、ヒブによる髄膜炎が激減しています。
肺炎球菌は小児の中耳炎、副鼻腔炎(ちくのうしょう)、気管支炎、肺炎、敗血症、細菌性髄膜炎の主要な起因菌でインフルエンザ菌とならび小児の細菌感染症の主な原因となっています。(下記参照)
■肺炎球菌による主な子どもの病気
中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、肺炎、菌血症(敗血症)、髄膜炎は、ほかの細菌やウイルスが原因でおこることもありますが、肺炎球菌が主要原因であることがほとんどで、菌血症では80%(1番目)、肺炎の場合は30%(1番目)、細菌性髄膜炎では20-30%(2番目)、細菌性の中耳炎の場合は30%(2番目)が肺炎球菌が原因です。
2歳未満の乳幼児は免疫能が未熟で、肺炎球菌に対する抗体が産生されていません。
その上、肺炎球菌は病原性が強く、最近は抗生物質が効きにくい耐性菌が増え、この肺炎球菌に感染すると、症状の進行か速く、重症度も高く、死亡率も高くなります。
平成25年11月1日から(乳幼児)肺炎球菌ワクチンは乳幼児に重篤な感染症を引き起こす主な13種類の肺炎球菌を利用して作成されたワクチンに改良され、乳幼児の肺炎球菌感染をより起こしにくくなるようになりました。
(注)高齢者対象の肺炎球菌ワクチンとは全く種類と内容が異なります。高齢者用のワクチンでは乳幼児には免疫をつけることはできません。
初回接種時の月齢によって接種回数が異なります。
子宮頸がんと子宮頸がんワクチンについて
日本では子宮頸がんは乳がんについで2番目に女性に多いガンです。またその原因のほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。このウィルスに感染後5~10年以上経て一部がんの発症につながります。発症年齢も20歳~30歳代に多くなっています。
HPVの感染の多くは、性交渉が原因で、すべての女性の約80%が一生に一度は感染するとの報告があるほどありふれたウイルスです。このため、性交渉の経験があるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っています。この子宮頸がんワクチンの接種によって発がん性HPVの感染から長期にわたって子宮頸がんの発症の予防に効果があります。
このワクチンは、全ての発がん性HPVの感染を防ぐものではありません。このため、20歳以降は、子宮頸がんの早期発見のために、このワクチン接種とあわせ定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。子宮頸がん予防ワクチンの接種推奨年齢は45歳までとされています。すでに性交渉がある方でも、HPVにまだ感染していなければ、ワクチンに含まれる型のHPVに対して予防効果が期待できます。
また、ワクチンに含まれる一つの型のHPVに感染していても、感染していない別の型への感染予防が期待できます。HPVに感染してもほとんどは自然に排除されますが、ワクチンは再感染を予防します。
【副反応・副作用】
頻度の高い副反応(20%以上)としては局所の疼痛、発赤、腫脹で数日で消失します。全身の疲労、筋痛、頭痛、胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛等)、関節痛があります。頻度の低い副反応(20%以下)としては発疹、発熱、蕁麻疹などがあります。ショック・アナフィラキシーなど重篤な副反応の発生報告は、通常の不活化ワクチンと同じレベルです。
その理由は平成25年6月14日厚生労働省から次のとおり勧告があったためです。
『子宮頸がんワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が、接種後に特異的に見られたことから、この副反応が発生する頻度がより明らかになり、適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨することのないよう留意すること』
接種を希望される場合は、有効性及び上記のリスクを十分理解した上で受けてください。
接種を希望される場合、詳細は次のとおりです。
小学校6年~高校1年生に相当する年齢の女子
※接種回数は3回です。子宮頸がん予防ワクチンには2種類あります。十分な予防効果を得るため、必ず同じ種類のHPVワクチンを6カ月に3回接種することが必要です。
※接種間隔はワクチンの種類により、下記ように異なります。
ワクチンの種類 | 接種間隔 | 標準的な接種間隔 |
---|---|---|
サーバリックス |
・1回目から1か月後の同日(当該日が存在しない場合は翌日)から2か月後の同日(当該日が存在しない場合は前日)の14日後までに2回目 |
・1回目から1か月後の同日(当該日が存在しない場合は翌日)以降に2回目 |
・ガーダシル |
・1回目から1か月後に2回目 |
・1回目から2か月後に2回目 |
※「サーバリックス」と「ガーダシル」は、いずれも子宮頸がんの予防効果があります。どちらか一方のワクチンで3回の接種を受けてください(両ワクチンの併用はできません)。
※このワクチンを希望される方は、当院で予約後、予約日時に受診券をお持ちいただき接種をうけていただきます。未成年の方は必ず保護者の方の同伴でのご来院をお願いします。
平成25年全国的に風疹の流行があり、今後も流行が懸念されます。風疹に罹るのを防ぎ、さらに先天性風しん症候群(下記参照)の発生予防のためにはワクチン接種が重要です。
先天性風しん症候群の3大症状は先天性心疾患、難聴、白内障です。このうち、先天性心疾患と白内障は妊娠初期3カ月以内の母親の感染で発生しますが、難聴は初期3カ月のみならず、次の3 カ月の感染でも出現する可能性があります。しかも、高度難聴であることが多いです。3大症状以外には網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球など多岐にわたります。それ自体の治療法はありません。
予防で重要なことは、十分高い抗体価を保有することです。ワクチン接種歴の文書による証明の無いなど、風疹に対して感受性を有する方は風疹を含むワクチンで免疫を獲得しておく必要があります。
妊娠可能年齢の女性で検査により風疹抗体がないことがわかった場合には、積極的にワクチンで免疫を獲得しておくことが望まれます。また父親も高い抗体値を保有しておくことが必要です。妊娠中のワクチン接種は避けた方がよいとされています。
※春日井市では風疹ワクチン接費用の助成を行っています(下記参照)。
平成26年4月1日以降
接種を行う日に市内に住所を有する者で、風しんに対する免疫が不十分と判断された、次のいずれかに該当する人
※ただし、風しんにり患したことがある人及び風しんワクチンを接種したことがある人は除きます
【免疫が不十分と判断する基準】
市では1人1回、次の額を上限として助成をします。
◆ 風疹ワクチン 3,000円(生活保護受給者は6,000円)
◆ 麻しん風疹混合ワクチン 5,000円(生活保護受給者は10,000円)
まずにご当院で直接予約をお取り下さい。
1.抗体検査 | 抗体検査を受け、助成対象となる抗体価であることを確認する |
---|---|
2.接種予約 | 接種を希望する医療機関に直接予約する |
3.申請、接種 |
接種当日、医療機関で申請及び接種をする |
※詳しくは春日井市のHPの市民生活ガイドの健康・医療で予防接種の項目をご覧ください。>>春日井市HPへ
愛知県の助成事業として、抗体検査にかかる費用の助成を受けることができる場合がありますので、次の春日井保健所のホームページを確認してください。